秋は「肺」の季節?
秋は皮膚と呼吸の変化に注意
獣医師が伝える犬猫の季節ケア
暑い暑いと思っていた夏も、ここのところ朝晩が涼しくなり、秋を感じる季節となってきましたね。皆さまの手も乾燥してきていませんか?秋は空気が乾燥し始める季節。心地よく過ごしやすい季節ですが、人だけでなく、犬や猫にも皮膚のかゆみやフケ、咳、食欲や飲水量の変化などがみられることがあります。
東洋医療では、秋は「乾燥」と「肺」に関係する季節と考えます。ここでいう「肺」は、現代獣医学の臓器としての肺だけでなく、呼吸、鼻や喉、皮膚、被毛、体の潤いなどを含む伝統的な考え方です。
秋にチェックしたいこと
- 咳、くしゃみ、鼻水、呼吸の変化
- 皮膚の赤み、フケ、かゆみ、脱毛
- 被毛のパサつきや過剰な毛づくろい
- 飲水量や尿量の増減
- 食欲、元気、体重の変化
こうした症状は、アレルギーや皮膚病、呼吸器疾患、腎臓病などが関係している場合もあります。「秋だから」「乾燥のせい」と決めつけないことが大切です。
ご家庭でできる秋のケア
新鮮な水を飲みやすい場所に複数用意し、室温だけでなく湿度にも気を配りましょう。ブラッシングの際には、皮膚の赤みやフケ、しこりがないかも確認します。
涼しくなっても、これまでの暑さでお散歩やドッグランに行けなかったから!と言って、急に運動量を増やさず、その子の年齢や体調に合わせて少しずつ調整してください。食事は栄養バランスの整った主食を基本とし、季節の食材を自己判断で加えすぎないことも大切です。
東洋医療によるケアの選択肢
私の診療では、中医学的な見方でその子の状態を確認し、漢方アロマオイル、いわゆる「塗る漢方」を選択・調合することがあります。飲む漢方薬と違って、皮膚に塗ることで経皮吸収してくれる漢方薬です。
お薬を飲むことが難しい子にとっては、経口投与とは異なるケアの選択肢になり、飼い主様の負担軽減につながる可能性もあります。
ただし、市販のアロマオイルや精油を犬や猫へ自己判断で使用することは避けてください。天然成分でも必ず安全とは限らず、特に猫では成分によって注意が必要です。
気になる症状は早めにご相談を
とはいえ、咳が続く、呼吸が苦しそう、強いかゆみや皮膚のただれがある、食欲や元気が明らかに落ちている場合、「そういう季節だから」と自己判断せず、かかりつけの動物病院へご相談ください。
秋の養生で大切なのは、特別なことをするよりも、愛犬・愛猫の小さな変化を毎日見てあげることです。その子に合った無理のないケアで、心地よい秋を過ごしましょう。

